投資家の皆様へ
平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
この度、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみ申し上げるとともに、罹患された皆様、および関係者の皆様にお見舞い申し上げます。また、医療従事者の方々や感染拡大防止にご尽力されている皆様には深く感謝申し上げます。
自動車業界は100年に一度の大変革時代に入り、CASEなどにより業界構造が大きく変化しています。 また2020年に入り、新型コロナウイルス感染症の影響がグローバルに拡大し、世界経済に大きな影響を与えており、回復には相当の時間がかかることが想定され、大激変の時代となっております。
一方当社は、数年前より厳しい経営環境を改善するため、抜本的構造改革に着手し、事業ポートフォリオの見直しや、拠点集約や再編、人員の最適化による固定費の削減、資産効率化の徹底、さらにはコーポレートガバナンス強化の取組みなど、着実に成果を得ることができておりました。
しかし2018年度の後半から、米中の通商問題や、欧州の燃費規制の影響から、自動車市場が急激に縮小・悪化したこともあり、2019年4月、中期経営計画「SCOPE2023」を策定し、経営基盤再構築へ向けた構造改革の実行と持続的な成長の実現に向け、重点戦略である「5つの改革プラン」に取り組んでまいりました。
同年10月には、基幹事業の一つであった流通システム事業を譲渡し、自動車機器事業へすべての経営資源を集中させ、「統合熱マネジメント」を軸に、環境自動車に不可欠なシステムパートナーとして舵を切り、思い切った事業構造転換を図っております。
ビジネス面においては、特に電気自動車の領域において、「統合熱マネジメント」の協業を進めております。現在マザー工場である群馬県・八斗島事業所で車両テストを開始していますが、当初の狙い通りの効果が出ており、パートナーやお客様からは大きな期待と評価をいただいています。
また、電動コンプレッサーにおいても2020年に入り、大きな新商権の獲得や新コンセプトカーの商権獲得など、次の柱となる環境自動車向けビジネスは、将来成長へ向けて着実に成果を上げています。
しかし、折からの欧州・中国・インド市場を中心とした世界の車両販売が急激に減少したことに加え、2020年に入り、新型コロナウイルス感染症の影響で、全世界は「未曽有」の危機となり、当社グループも、全世界で主要工場の休業等が発生しました。
それらの影響や今後の不透明な状況を勘案し、当社グループは、産業競争力強化法に基づく「事業再生ADR手続き」を利用し、今後の再生に向けた、強固な収益体質の確立と、財務体質の抜本的な改善を目指すことといたしました。皆様には、多大なご心配とご迷惑をお掛けしておりますことを、深くお詫び申し上げます。
当社の創業の精神は、「知を以て開き 和を以て豊かに」です、今こそこの精神のもと、全社一丸となって不退転の決意で事業再生に取り組んでまいります。そして、企業ビジョンである「豊かな社会の実現」へ貢献できるよう努めてまいります。
皆様におかれましては、今後ともご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。