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サンデンの技術とは?
Part 01

コンプレッサーと
「冷やす、暖める」の関係

カーエアコンは、車内を快適な温度に保つための重要な機能です。その仕組みは、冷媒(※1)と呼ばれるガスを「気化→液化→再び気化」させるサイクルを繰り返すことにより実現しています。このサイクルをつくり出す上で重要な役割を果たす装置がコンプレッサーです。コンプレッサーは、冷媒を圧縮する機能をもっています。冷媒は圧縮、膨張を繰り返すことで周囲と熱交換し、「冷やす、暖める」を行ないます。サンデンの発展は自動車のコンプレッサーを独自に開発するところから始まりました。この「冷やす」「暖める」というコア技術は、現在さまざまなカーエアコンシステムに応用されています。

キーテクノロジー

  • CO2冷媒

    サンデンでは地球環境保護を目的とした脱フロンの取り組みとして、冷媒にCO2を使用することにしました。
    CO2はフロンに比べて環境負荷が低いことで注目をされている冷媒ですが、良いといっても、冷媒を変えることは簡単ではありません。例えばCO2はフロンに比べ同一温度条件で従来に対して作動圧力が約10倍あります。つまり冷凍回路内に約10倍の圧力がかかることになり、その高圧に耐える部品の開発が必要になります。
    それを可能にして、製品化したのは、ひとえにサンデンの技術力なのです。

  • 車両排熱回収ランキンシステム

    冷やす、暖めるキーテクノロジーを応用した創エネ技術として、車輌排熱エネルギー回収に取り組んでいます。
    車輌エンジンにおいては燃料エネルギーの大半は熱として捨てられていますが、当社スクロール機構を用いた膨張機によりこの排熱からエネルギーを取り出す技術開発を行っています。取り出したエネルギーは再び車輌走行に利用することで燃費を向上させます。
    この技術によって、CO2削減、地球環境保全に繋がると考えております。

  • 水加熱電気ヒーター(ECH:Electric Coolant Heater)

    これまでのカーエアコンシステムは、エンジン冷却水の排熱を暖房に利用して、車内を温めていました。しかし、次世代車両、特に電気自動車(以下EV)はエンジンがなくなるため、別の暖房熱源が必要になります。
    そこでサンデンでは、電気ポットのように、水を電気で加熱する機器「水加熱電気ヒーター(ECH)」を開発し、次世代車両における新たな熱源を安全に生み出すことに成功しました。
    この技術はすでにEVに搭載され、販売に至っています。

※1 冷媒とは?
冷媒とは、熱を吸収・放出するための媒体となる物質です。気体は、圧縮・冷却すると液化し、膨張(減圧)すると蒸発します。液体が蒸発するときに気化熱として熱を奪い周囲を冷やします。冷媒には蒸発潜熱が大きく凝縮、気化の相変化が容易であり安全性に優れることからフロンを使うことが一般的でしたが、温暖化への懸念、さらなる熱効率の向上の観点から、新たな冷媒の研究が進んでおり、サンデンでは業界に先駆けてCO2やアンモニアなど新たな冷媒を利用した製品を開発しています。

Part 02

EVの廃熱を利用する統合熱マネジメントシステム(ITMS)

EVはエンジンが無く、その廃熱が利用できないため、暖房時に駆動用バッテリーの消費量が増加し、航続距離の低下につながることが課題となっていました。EVの廃熱を回収して有効活用する技術はいろいろありますが、サンデンはEVの熱エネルギーを「統合的に有効活用」することにより、航続距離の延長と乗員の快適性に貢献する「統合熱マネジメントシステム」(以下ITMS ※2)の開発を進めています。
ITMSは特にEVの効率と性能向上を目指して開発された先進的な技術です。

※2 ITMSはIntegrated Thermal Management Systemの略称

キーテクノロジー

  • EVの廃熱を回収して有効活用

    サンデンのITMSは、モーター、インバーターなどパワートレインからの廃熱を回収し、ヒートポンプ技術と組み合わせることでEVの熱エネルギーを有効活用します。ITMSは、主要な車両コンポーネント(バッテリーやモーター、インバーター、車内空調)といった温度を一元的に管理し、より快適で効率的な運行をサポートします。
    ITMSは、猛暑や寒冷の状況においても、快適な室内空間を効率よく提供し電力の大量消費を抑えることによってバッテリーへの負担低減に貢献します。その結果、航続距離の低下を軽減することが可能になります。

  • ヒートポンプ技術

    ITMSにおいて重要な技術が「ヒートポンプ」です。外気の熱を熱交換器を介して冷媒で回収し、その冷媒をヒートポンプ内で圧縮して高温状態にすることで暖房の熱源とする仕組みです。
    ヒートポンプとは、外気の熱を利用し、冷媒の圧縮、液化、蒸発を繰り返すことで、省エネルギーで暖房する空調システムです。EVは、暖房時の熱源にエンジンの廃熱を利用できないため、エネルギー効率が高いヒートポンプを開発することで、駆動用バッテリーの消費量を抑え、EVの航続距離の低下を軽減します。